ざっくりレビュー

久々に己の「北村コレクション」を総観賞した次第である。
とりあえず映画作品のみだが、ぶっちゃけ我ながらその数にいささかどん引き(笑)
既に拙いながらのレビューを書かせて頂いた作品も多々あるが、時を置き二度見、三度見、四度見・・(以下略)してると、違う思い新たな発見があったりしたので、再びざっくりと書かせて頂く。


【悲しきヒットマン2】


はいはい、これで北村さんに堕ちたのよね、と呟いているお嬢様もおられるであろう。
うん、そうなんだ。
この北村さんがめっさ好きやねん。
この時の役名は「草薙」である。
ちなみに「ぽぅ!」と叫ぶのは「草柳」の方。某ドラマの刑事役も「草薙」であったが、こちらはあんなに邪悪ではなく、ただただモテ男風情の扱いである(無念)
ここでの草薙は麗しかったり、はにかんだりな北村さんがお好きな方は驚かれるかもしれない。
しかし、衝撃という意味ではこれが最強なんではなかろうか?
初見時、草薙の指先まで張りつめた演技を拝見し、「人の皮を被った悪魔」そんなフレーズが頭に浮かび、「なんだろうこの俳優さん・・」と脳内に北村さんの名とお顔が刻み込まれた作品であった。
ただただ北村さんの「狂気的なほど激しい演技」を拝見する作品である。
場面が進むにつれ、どんどん細くなる眉毛にちょっとヒヤヒヤしたけどね(笑)
そして、時が移り「あな隣」数馬を見て、「やっぱりこの方はこういう役柄が異様にはまるわ・・」と深く頷くのであった。
生憎DVD化されていないが、もしこれに出会えたら、一度見て頂きたいものである。


【蘇る金狼1&2】


ファン的思想で言わせて頂くのならば、1での由紀夫ちゃんのあまりの存在感が2の構成になったんじゃ?と思っている。
1においての由紀夫ちゃんだって、活躍している。
呑んだくれどころじゃない、ずばりアル中のむさい男だ。
だけど、目が離せない。その理由はふいに見せる仕草と表情のせいだ。
世の中には「なんであんな男があんなにもてるの???」という人がいる。
それの一番の要因が「母性本能をくすぐられる」だとしたら。由紀夫ちゃんはそのものズバリである。
大好きな哲也にだけ見せる従順な仔犬のような顔。
あんな顔見せられたら、誰だって「しょうがないなぁ。由紀夫ちゃんてば」と全てを受け入れてしまうであろう。
油断してると、北村さんの最終兵器2である「尖らせた唇」から、たどたどしい言葉が零れてくる。
そんなの見せられたら「全部私に任せなさい!」と、抱きしめるしかないじゃないか(きゅん)
勿論、作品内において、由紀夫ちゃんは、只どたどたよちよちしてるだけではない。
2では見惚れるような銃撃場面がある。
未見の方の為に詳細は書かぬが、例の「ビール缶をカンッ!てしてバキューン」と言えば「ああ!あそこね!」と同意して下さるのではなかろうか。
あの場面が好きだ。
「おお!」と思わず声が漏れたくらいである。
「カッコイイじゃないの、由紀夫ちゃん!」あの時の気持ちをどう表現したら良いのであろうか。
クララが立った!くらいの驚きと喜びを感じたんである。
この役柄において、北村さんは美しい格好をしていない。銃の手入れ場面で映し出された手元をみれば、爪は伸びてるし汚れている。
だが、持って生まれたあの手の美しい形だけは変わらず、かえって荒れた手にかすかなエロスを感じてしまうんである。
こちらは廉価版DVDが発売されているので、未見の方は是非。



【弱虫】


主演作品ゆえに、ずっと北村さんを拝見できるという喜びがまず一つであろう。
「濡れた赫い糸」もそうだが、優しくて、優しすぎてそれゆえに哀しいという役柄であろうか。
ここでの役名は修ちゃん。
歩いていると女性が思わず振り返るというモテっぷりである。
共に暮らしている女性(有美)の事も愛してる。だけどもう一人の女性をいつしか愛してしまっていた。
そんな話である。
よくある展開かもしれないが、そこで表現される有美の深情けとそれが分かるからより優しくせずにはいられない修ちゃんの関係があまりにセツナイ。
そして、一番セツナイのは「わかってんじゃねぇか」とベッドで景子を抱きしめた時の北村さんの声だ。
あの台詞を聞いた時、きゅっと胸を締め付けられた。
文章で書くなら膨大な字数で表さねばいけないあの時の修の心情を、「わかってんじゃねぇか」のただ一言で全て表現している。
「凄いや」北村作品を鑑賞してると頻繁に口にしてしまうこの言葉がまた出てしまった場面であった。

弱虫ちんぴら公式サイト


【MAZE】


こういう傾向の映画は苦手で、正直観るのに二の足をふんでいたのだが。
思い切って、観てみると、私の好きなワイルド系な北村さんで、思わず「しゃあ!」とガッツポーズなどしてしまった。
作品タイトル通り、海の話である。漁村の話である。従って、北村さんは漁師の役である。
母親を亡くし、一人暮らしの祖父に引取られた裕太を不憫に思い、不器用ながらも気にかけてあげてるのかと見ていたら、どんどん話の軸に食いこんでくる役柄であった。
北村的観賞のポイントを言うならば、文句なしに「漁師姿」。無造作に頭にタオルなんか巻いた姿を見せられた時は本当にもうどうしようかと(何)
作品中、逞しい北村さんの姿にきゅんきゅんしっぱなしであったが、告白場面では「ああ、一張羅できばってきたのね!」と趣きを替えた姿で登場してきて、きゅんきゅんどころじゃない。ついにどっきゅーん!された。
この時、男の子について語るんだが、その際の顔つきの変化にまたまたしても「凄いや」発動であった。
裕太の事を話す時、目尻ががきゅうううって、下がるんである。
それだけで「ああ、心底、裕太が大事なんだ。」と伝わってきて、うるっとさせられてしまったのだ。
これには、台詞の一節、一節を本当に大事にされてるんだなぁとしみじみしてしまった。
この作品は思いもかけず、色々な姿と想いを味あわせてもらった作品であった。
しかしまさか、花婿姿まで拝見できるとはかなり予想外であった。望外の喜びとはこの事か。



【ブラザーズ】


オムニバス映画「ON THE WAY COMEDY 道草」内収録作品。
18年前に家出した兄を北村さん演じる不二雄が迎える所から物語は始まる。
姿を見ても分かるとおり、不二雄は超・二枚目な役柄である。
冒頭、真っ赤なコルベットを咥え煙草で操る北村さんの姿に「キマってるぅ・・・」と身悶えた(毎度)
美形モード全開である。
こんなにカッコイイのに「てか」「てか!」と兄に苛つく弟キャラなんだから、たまらない。
最初邪慳だった不二雄が徐々に兄への思慕を滲ませてくるあたりで「可愛いっ!」ときゅんきゅんである。
どうも私は北村さんの弟キャラに滅法弱いようである。
一緒に見ていた家人が、最後の場面で「ちょっと泣いちゃった・・・」と眼を潤ませていたのを今でも覚えている。
片や私は、「もう可愛いぃいいいい!」と萌え全開であったので、泣くどころではなかったのある。
特典映像に撮影の合間の北村さんの姿あり。
コルベットに惚れこんで、撫でるように愛でている映像が収録されている。
その際の私服のカッコよさも勿論だが、「ちょ・・オフの時もこんな少年みたいな喋り方するの?」と、激しく萌えさせて頂いた事を追記させて頂きたい。
ON THE WAY COMEDY 道草公式サイト




【女理髪師の恋】


一言で説明するなら、「理髪師の女性を監禁した青年ケンジの恋物語」である。
この作品の北村さんはすっかり毒気を抜いている。だが、切ないまでに純粋過ぎた暴走という狂気の香りはまとっている。
大げさなアクションも激しい台詞もないけれど、じわじわとこの作品の世界に入り込んでしまうわせるものが、このケンジにはある。
愛してまった治美のハンカチを、思わず奪って後生大事にしている姿をみれば、彼を責める事ができなくなる。監禁という犯罪を犯しながらもケンジを責める気にならず、むしろ「どうぞ幸せになって欲しい」と思わせるものがこのケンジにはあるのだ。
だから、物語のラストには呆然とし、「そんな・・」としばし絶句してしまった。
未だにケンジの「いいですよ」は耳に残っている。
あの「いいですよ」はいけない。
「いいですよ。」この言葉が聞きたいが為だけに、女ならもっともっと願いを言ってしまいそうだ。
どんな無理な願いでもケンジなら「いいですよ」と言ってしまいそうで、辛く哀しく愛らしい。
特典映像にも北村さんの姿は少々出ている。
「へぇ、こんな風に喋るんだ」なんて、脇見の部分であるが、ファンとしてはちょっと嬉しいものである。
ちなみに、どうしても「皆月」の印象の方が勝ってしまい、観賞中にもいつしかケンジが治美の事を「姉ちゃん」と呼びそうでちょっと切り替えに困った(笑)


【皆月】


どうにもこうにもアキラちゃんが好きである。
北村さんが好きなのか、アキラちゃんの面影を求めているのか、たまに考えるほど好きなんである。
見所を上げればきりがなく、そして語りつくせぬ作品である。
改めて原作を読んでいるとアキラちゃんの台詞、行動がきっちり北村さんの姿で勝手に脳内再生されてくる。
至福である。
激しい描写が多い作品で、だからこそ、北村さんが選ばれたのかなとも思う。
ヒールのイメージが強い北村さんであるが、凶暴な顔つきが、急に「すごく寂しいんだ」と言わんばかりの表情に変化する時がある。
その落差に、私はやられたのかもしれない。
「一緒に逃げてくれる?」「兄貴!兄貴!ダァ〜〜ッシュ!!」あの時のアキラちゃんの表情こそが本音だったんじゃないだろうか?
しょんぼりと、それこそ捨てられた子犬のようにアパートに現れた時のアキラちゃんと「兄貴」に叱られて嬉しそうに元気になっていく様子に「ああ、兄貴が大好きなんだなぁ」と微笑ましく、と同時に胸が締め付けられる。

刹那な行動を重ねるアキラちゃんである。暴行なんて日常茶飯事。ついには殺人までしてしまう。
その原因が「兄貴」への思慕と憎しみであった事を知ったあの結末はずっと忘れる事の出来ない名場面であろう。
この作品は二回目の観賞こそが面白いのかもしれない。
あの結末を知ってから、もう一度アキラちゃんの言葉、行動の訳を知ると。
堪らなく泣けてきてしまう。




こうして、色々な作品を観たけれど。
まだ少年の残り香のありそうな青年期の顔立ちと青くしなやかな若木のようなスタイルから、徐々に濃厚な果実の香りを醸し出してるような男性になった北村さんまで。
どれを観ても、気がつけば唇の端が綻んでいる私がいる。
膨大な出演作、大河、主演ドラマとファンにとっては嬉しい贈り物を授けてもらってきたが、そろそろ新たなお姿を拝見したいものである。
もうじき発表があるだろが、今は少し寂しくて、待ち遠しい気分である。


さて、話変わって。
またしても、下手の横好きである。
出来上がりを見て、「長いよ」と自己つっこみをし、半分以下に削ったんだが、それでも3分ある。
もう少しタイトにしたかったのだが・・すまぬ。色々な意味で。
良かったら、ご覧になって下さい。北村動画第二弾でございます。
未だ紙芝居の域で、微妙な気持ちだが私のスペックではこれが限界である。
色々とすまぬ・・てか、又してもすまぬ(笑)