主題歌がイメージを増幅させる

先日お知らせした「宿命」の主題歌「瞳の奥をのぞかせて

いい。
すごくいい!
ポルノグラフティらしいあの独特のテンポ。そしてなにより作りこまれた歌詞。
小説一本読んだような趣きを受けた。
「・・って事は物語はこういう感じで進むのか。毎回えっ、そうなの?どうなるの!?のところでこの曲がかかって、次回までドキドキしちゃうのか?」なんて色々と想像してしまう。
そのくらいイマジネーションを誘う良い曲である。
Mステには出演確定だろうし、なによりドラマと共にこの曲がヒットして欲しいと願ってやまない。
主題歌って大事だと思う。
その曲を聴くとドラマや北村さん演じる有川崇が反射的に脳内再生されるだろうし、さらに「この曲のドラマってどんなだろ?」と見てくださる方もいるかもしれない。
この曲のお陰でさらにドラマへの期待が増した次第である。
歌詞の至るところに「あっ!」や「そうなんだよ。上手いなぁ!」と唸る部分が多々あるのだが、お嬢様方はどの部分に反応なさるであろうか?


瞳の奥をのぞかせて


空のワイングラスの横で私の目覚めを待っているのは
ちぎられた紙切れに並んだ
青いインクで書かれた美しい文字


二人で夜に漕ぎ出しても
夜明けの頃には1人置き去り
愛してはならぬと拒んでも
抱かれてはならぬと解いても


いけない時間は甘噛みのように
淡い赤色
消えない痕を残して


こんなにもあなたの事を想ってるのに
時々どうしようもないほど憎くなる


あなたは瞳の奥をのぞかせない
そのくせ私の心は何もかも見透かされる


ピアノのように磨き上げたあの黒い車はどのあたり
このさよならは一時のため?
それとも永久(とわ)の別れなのか


失い続けるばかりの時間
無垢な笑顔ではしゃいでたのは遠い日


いつからか恥らうことさえ忘れてた
無理やり剥ぎ取ってしまったのはあなた
はだけた自分の素顔を見つめると
ゆらゆら淫らな欲望の炎を灯していたの


開け放ったままの天窓に煌めいてる星々は決して
1つとこの手に落ちない
それならばそっと窓を閉めましょうか


秘め事はいつも秘め事のまま
誰も知らない暗い闇へと消えてく


こんなにもあなたの事を想っているのに
一秒針が進むほど強くなる


あなたの瞳の奥がのぞけたなら
1つでも本当の気持ちを探せたら
それだけでいい


それだけでいい




【再録 JOKER・疫病神感想】
ようこそ!ワタシの大好物・主人公を慕うチンピラ役である(笑)但し、美しさは隠していらっしゃる。ヘタに美しいと違う役どころになっちゃいそうな危険な設定がこれには隠されてるので賢明だったかも知れぬ(含笑)

主演の渡部さんにべったりの甘えん坊で、情けなく、気の良いちょっぴり緩そうなヒサオ役である。全編通して漂う「しようがねぇなぁ、ヒサオはv」的な感じが見事だ。

北村さんが独断で歯を抜歯したのがこの作品である。ヒューヒューと抜ける滑舌の悪さとだらしのない笑顔が終盤の演技に素晴らしい哀愁を付加したのかも知れない。(後日談/「痛いし、後悔した」とあるが、それだけ真剣に挑んだのだろうこの役に)

北村さんは食事の場面が上手いと思う。ルナティック、黒社会、弱虫。他の演者が台詞を言っているのにも係わらず、ついそちらに眼をやってしまう。恐るべし、「舞台荒らし」、北島マヤですか。

ところで、北村さんの食事の場面になにやら淫らな香りを嗅ぎ取ってしまうのはワタシだけだろうか?

だが、今回の食事の場面だけはそうではなかった。主人公・ヒロシが嫌いな物をヒサオの皿に「いつもそうやってるんだね?キミたち。」という感じでスッスッと移すのだ。それを当たり前のように咎めもせず「ん〜〜モグモグ♪」と咀嚼する姿が可愛い。毎度「可愛い」を連発して恐縮だが、可愛いんだから仕方が無い(笑)歯が無いものだから、食事をポロポロこぼして「歯・・入れろよ。」なんて言われた時の嬉しそうな顔を「可愛い」以外でなんと表現したら良いのだろうか。(洩れちゃうから珈琲も飲むんではなくすするんである。その口の尖らせ具合が・・・・自主規制ものである)キリが無いので箇条書きしてしまうと(笑)

*「ぱきゅーん」「ぱきゅーん」ずっと欲しかった玩具をようやく買ってもらったような喜び、そして「ホントにホントにいいのかよ!?」と眼をキラキラさせてついにはヒロシにキス・・・・・え、キス!?

*ヒロシに週刊誌を読んでもらうヒサオ(漢字が殆ど読めない)その後、女子高生のヒソヒソ話に「なんだよう〜・・」と口を尖らし、眼をキョトキョト・・。「もう、むぎゅ〜〜しちゃうぞ」である。

*行くあても無く、しょんぼり駅のホームのベンチに腰掛けるヒサオ。「どこいるんだよ。会いたいよ。」って、恋人か!?と思うような口調で言うんである。下っ端なんで、ジャンパー(断じてブルゾンではない)にダサイジャージというしょぼい格好をさせられている。それがさらに寂しさをまして「バリッとしたの買ってやるから!!」と言いたくなるほど・・・うん、あの、つまり可愛い。そしてセツナイ。

*映画館にて泣きじゃくりながらヒロシに訴える姿が幼い子供のようだった。色々言っているがつまりは「ヒロシは俺のもんだよう」と解釈していいんですね?ヒサオくん。最後のオドオドとヒロシの顔色を伺う仔犬のような眼と「仕方ねぇなぁ、ヒサオは(苦笑)」的なヒロシの様子にパッと表情を変える辺りにそれを確信しましたが、正解ですね?ところで、ヒサオくん、射撃上手いね(笑)

配役的には大して期待していなかったのだが、案外ちょろりちょろりと北村さんの出番がある。途中「あれ?もう出ないのかな?」なんて油断していると「ここっ!?」という時にいきなり飛び出してくるという素敵なサプライズがある(ホントに驚いた)

ちなみにこの物語において「えっ、なんで・・・?」と別の意味でサプライズな設定がある。「ふーちゃん・・v」て・・。その後しばらくTV等で宇梶さんを直視できなくなったのが強烈な思い出である(笑)



【再録 あなたの隣に誰かいる


北村一輝スーパープロモーションドラマ。

堕ちる。

これで堕ちたのなら本望だ。

序盤こそじわりじわりと控えめな出番だが、物語が進むにつれイケイケドンドンの太鼓が聞こえてきそうなほど、北村一輝オンステージが繰り広げられる。

潤んだ瞳が見たい?

はにかむ笑顔が見たい?

切ないまでに見つめられたい?

だけど、危険な想いもしてみたいって?

ALL OK。

全てご覧にいれましょう、といった具合に右からパン!左からパン!とこれでもかもショットが入る。

中盤以降から、覆いかぶさる蟲の闇。

だが、そのころにはすっかり我々は沢村数馬に骨抜きにされていた。

いや、蟲は久遠駿介なのか?沢村数馬なのか?

マフィア、ヤクザ、乱心の武士とダーティな役をこなしてきた北村さんが又しても手に入れた役どころ、それが『魔物』

沢村数馬は大量殺人鬼だ、幾世代をも全滅させている。地下室には愛した女の歴代コレクションまである。

だが、彼を悪人だと思えない。

湿った地下室に並ぶミイラの数だけ彼の心が傷ついた・・と思ってしまう。何故か?何故彼を憎めないのか。

答えはあの眼だ。

そして最初の頃見せたあの微笑だ。

何十人何百人もの血を見てきた筈なのに濁りを知らない眼は、長く相手を直視しない。

困ったようにふいに外される。

不要となった人間を容赦なく罵ってきた唇はいつも少し拗ねたように突き出されている。

さらには恥ずかしそうにきゅっと唇を引き締めたり、とてつもない愛の言葉を叫ぶ。

こんな男をどうやって憎めばいいのだ?

久遠駿介は稀代の詩人並の言葉を連ねた。

『君と過ごした記憶が、今群青の空にのぼっていく。

いつかそれが雨となって、この世界に帰ってくるのを僕は待ち続けている。

いつかもう一度出会える時まで、僕は君を待ち続けているんだ。

それまでは少しだけ、サヨナラだ。』

『僕は君に殺されるのかもしれない。

それでもかまわない。君の手で殺されるなら。

それが僕の望みだ。

君に傷つけずにいられない僕を消してくれ。

僕は喜んで、この海とともに消えるよ。』

『人が死ぬのは心臓がとまるときじゃない、脳が止まる時でもない。

人が死ぬのは忘れられた時だ。

愛した人の事を忘れずにいればいつまでも生き続ける。

だから死ぬことは・・・・少しだけサヨナラすることだ。』


いつも北村さんは「さよなら」を「サヨナラ」と発音する。

それが、さらに「さよなら」と言う言葉を青く不思議な意味にさせている。

この台詞を『海の歌』と『ガーベラの花』をBGMとして囁かれたら・・・・悶死しても悔いは無し。

各人「この数馬(駿介)が好き!」と言うのがあるらしい。

しかもそれで己の嗜好が分かるという。

後ろから哀なく抱きしめてくる北村さんにクラクラする。

逃げる主人公をどこまでも追い詰める青い瞳の北村さんにゾクゾクする。

ワタシの中でのベストシーンは三つある。

選びに選んだがこれ以上絞れなかった。(本当は全てがベストシーンだ)

*堪えきれなさを瞳から溢れさせ、いきなり梓にキス。しっかり相手の頭をホールドしてる点が色男ぶりを露呈している。

*世界一ガスマスクの似合う男がいた。

コツコツと響く靴音までもがアクセサリーとなっている。

世界中に美しい男はいるだろう、しかしガスマスクまで着こなす美丈夫が他にどこにいる?

他に悪の総裁とか魔王とかなんなく着こなしてしまいそうで怖い。

だが、嬉しい。是非見たい。いや、拝見させて下さい。

*「ぎっ!」幾度も聞いて確認しました。

契約妻の首を情け容赦も無く折って即死させた時の声。

「ぎっ!」人間はあんな声でない。

それなのに、寸前の「もう、警察には電話したわ」と、手錠をはめられ、逃げらやしない、と嘲笑される場面では困ったような眼できょときょとしている。

憎めない、あんな顔されたら。どんな性悪でも(笑)

どうやらワタシは『黒く危険なものが好き』らしい。

今までドラマには幾人も『危険な男』は出てきた。それに『死なない』『案外ロマンチスト』『美貌』を加えると=北村一輝となる。この黄金律は絶対だ。


そして2010年1月
北村一輝は新たに有川 崇なる男に変化する。